『ウォールフラワー』を見る
・CD『ハロー!プロジェクトの全曲から集めちゃいました! Vol.01 アイドル三十六房編(南波一海×嶺脇育夫)』と同『Vol.02 吉田豪編』を購入。
これはいい。
タイトル通り数あるハロプロ楽曲の中から、2枚で20数曲を選曲したコンピレーションアルバムで、いわゆる代表曲ではない隠れた名曲やレアな音源を集めたものになっていて、入門用と言うよりはコレクターズアイテムな商品。
Vol.01はハロプロお得意のディスコ、ファンク、ソウル楽曲群、Vol.02はそれよりもずっと雑多でマニアックなアイドルポップス群が収録されている。
何が良いって、マスタリングが良い。これリマスタしてるよねきっと。
聴き比べたわけじゃないんだけど、初出のものより高音域のシャリつきがなく、レンジも広くなってるんじゃないかな。
「ポップコーンラブ!」がすごく聴きやすい! 改めて、「ポップコーンラブ!」、名曲! 泣ける!
Morning Musume「Popcorn Love」 - YouTube
個人的にすっごい久しぶりに聴く曲や存在を忘れていた曲、全く聴いたことない曲が絶妙なバランスで収録されているので、とても満足です。
「ハロー!プロジェクトの全曲から集めちゃいました!」Vol.1&2 SPOT - YouTube
・このコンピの目玉となっているのが音源初収録となる「キマグレ絶望アリガトウ」という曲。
モーニング娘。がやった『ステーシーズ 少女再殺歌劇』というミュージカルのナンバーで、鞘師里保がリードを歌っている。
キマグレ絶望アリガトウ - 鞘師里保 (& モーニング娘。) [Kimagure Zetsubou ...
最近のモーニング娘。には落ち着いて歌い込める感じの曲がないのでなかなか披露できないのが残念だけど、鞘師はこんなにも儚さと膨よかさを含んだ声の持ち主なのだなあと。
・映画『ウォールフワラー』を新宿シネマカリテにて鑑賞。
なかなか不満が残る、というか、感情移入しきれない部分があった。
2012年の本国での公開の時点で、どちらかといえば映画メディアよりもインディーブログとかの方で話題になってたような気がする。
俺のツイッターでも所謂映画通の人よりもインディロック聴いてる人たちの方がいち早く見ていた感じだろうか、なかなか評判が良かったので昨年から見たかった作品だった。
ストーリーは他愛も無く、高校生になったさえない童貞男子がサブカル姉妹と出会い仲良くなり、楽しい青春を謳歌していくというもの。
不満な点は大きく2つ。
まず前半の青春謳歌パートが、なんか、もうちょっと、ドラマティックにならなかったのだろうか。
最愛の仲間と過ごす青春の刹那のきらめき、みたいな描写があんまりなかったというか、まあ主人公自体が感情の起伏の少ない男の子なので、どれだけ青春感じてるのかちょっとわかりにくい。
少なくともハイライトであるトンネルをぬけるシーン。あそこ、もうちょっと「無限を感じさせる」シーンにしないと成立しないんじゃないのかなあ。あの程度の演出じゃただデヴィッド・ボウイが良い曲ってだけにしか思えなかったんだけど…
演出にもうちょっと情緒的余白がほしいなと思った。
もう一つの不満は、クライマックスで主人公のトラウマの謎が明かされる“心の話”になってしまったところ。
あれのせいで前半の青春話の意味がなくなってしまっている気がするんだけど、どうなんだろうか。
どうやら原作者本人が監督脚本を担当しているらしく、原作の意図から外れた映画にはなってないと思うんだけど、うーん、つまりこれは、単に初監督作品ゆえの演出技術の不足なのだろうか、なんとも歯切れの悪さを感じる映画になってしまったように思う。
パトリック役の彼、エズラ・ミラーのねっとりとした存在感が素晴らしかった。なかなかハリウッドの俳優ではいないタイプ。ユダヤ系のホモセクシャルらしく、まさに適役。他の出演作品も見てみたい。