『天国の日々』を見る
・早稲田松竹でテレンス・マリック監督の映画『天国の日々』と『トゥ・ザ・ワンダー』を鑑賞。
テレンス・マリック監督のことはよく知らなかった。
学生時代に『シン・レッド・ライン』のDVDを借りたけど、結局見ずに返してしまった。
2011年に話題になっていた『ツリー・オブ・ライフ』もこの監督さんの作品らしい。
何やらこの40年でたったの6本しか監督作を撮っていない寡作な人らしく、「生きる伝説」気味な監督さんだそうな。
・『天国の日々』。78年作。
とにかく広大な麦畑の情景が美しかった。
日本では絶対見ることができない黄金の景色。
おそらくものすごい数のカットをものすごい期間をかけて撮影してる。
映像の美しさで何とか見れたけど、ストーリーはちょっと面倒臭い話だった。
三角関係の悲劇だ。
主人公をやってるリチャード・ギア(若い!)のアホみたいな表情にほっこりした。
・『トゥ・ザ・ワンダー』は昨年日本で公開された作品。
話題にはなっていたけど、批評家受けはあまり良くなかったような気がする。
マリック監督が前作の『ツリー・オブ・ライフ』から2年足らずのブランクで監督作を作ったこと自体が奇跡のようなことらしい。
しかしてこの映画、ササキには全然わからなかった。
まるで登場人物たちの記憶の断片を分裂症気味にごちゃまぜにつなぎあわせたみたいな語り口で、2時間ずっと夢でも見てるようだった。
ストーリーは、あるカップルが結婚し破局するまでを描いたものらしいけど、終演後にパンフレットに書かれているあらすじを読んでやっと内容を理解できた。
こちらも映像表現は凄まじく、美しい光景、詩的なモノローグ、絶えず動くカメラワークで、今まで見たこともないものだった。
でも見終わって思い出せることと言えば、ベン・アフレックのアホみたいな表情とハビエル・バルデムの濃い造形の顔面だけである。