『リンカーン』を見た
・たむらぱんが昨年リリースしたアルバム『love and pain』にグッときた。
まさに「愛と痛み」をテーマにしたメランコリーポップミュージック。
やはり前作の『wordwide』から確変を起こしている。
ナンセンスなユーモアや捻くれた視点のラブソングをキュートに歌っていた彼女が今やそれらをほとんど封印し、喪失や葛藤、自問自答を小粋なメロディにのせて歌っているのだ。
要するに本作は、彼女の『ペット・サウンズ』に当たる作品ではないのか。
作家性にしても作曲センスにしても、もうちょっと評価されてもいいシンガーソングライターな気がしますけどね、どうなんでしょうね。
love and pain / たむらぱん - YouTube
・三軒茶屋シネマにて映画『モネ・ゲーム』を鑑賞。
名作『泥棒貴族』のリメイクをコーエン兄弟が脚本を担当するということで公開前は結構話題になっていたものの、あんまり良い評判は聞かなかった感じの本作。
どんでん返しして「どんでん返しがなきゃ小さくまとまった良い話だったのにな…」って思わせちゃったら駄目だと思うの…
明らかに見た目がアラフォーのキャメロン・ディアスが20代ギャルっぽいブリブリ演技を意外とナチュラルにこなしてるイカれた映画だった。
しかし三軒茶屋シネマはなんでこれと『リンカーン』を2本立てで上映しようだなんて思ったのだろうか…
・映画『リンカーン』も見た。
スティーブン・スピルバーグ監督、ダニエル・デイ=ルイス主演、日本では昨年公開された作品。見たかったけど見そびれていた。
リンカーンの半生を描いた伝記映画、ではない。
奴隷制度廃止の憲法修正条項が可決される数ヶ月の話で、あの有名な「人民の人民による人民のための政治」っていう演説すらやらなかった。(一応その台詞自体は出てきますけれども…)
とにかくその憲法修正第13条を何とかして押し通そうと奮闘するリンカーンと周りの人間たちの政治的な駆け引き、葛藤がメイン。
いやあ、これは難しい、や、難しいことはなかったのだけれども細かいところで何言ってるのかわかんない部分がいっぱいありまして、これはやっぱりちゃんと北米の歴史や当時の社会、風習を理解した上で見ないと楽しめないよなあ、たぶん中学高校で習った世界史の知識だけじゃあ置いてけぼりだよなあと思いましてね、機会があったらまた見てみたいですけれどもね、勉強した上でね。
面白かったんですけど、無邪気に面白かったなんて言ってしまうのをためらわれる感じが何だか歯がゆいです。