『ラッシュ/プライドと友情』を見た

地元の映画館で『ラッシュ/プライドと友情』を鑑賞。

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  • これは傑作だと思う。
  • 1970年代に活躍した2人のF1レーサー、ニキ・ラウダジェームス・ハントのライバル関係を描いたノンフィクションで、大雑把に言ってしまえば物凄く手の込んだ再現VTR。タイトルとおり、2人のレーサーとしてのプライドとライバル同士の友情を中心とした人間ドラマだ。
  • 予告編の時点でかなりBLっぽかったのでワクワクと胸を弾ませながら鑑賞したけど、ひねくれ者で頭脳派で合理主義的な性格のニキ・ラウダと、片や遊び好きでマッチョでロマンティストなジェームス・ハントという正反対の2人がライバルとして惹かれ合うというちょっとエッチなカップリングのブロマンスだった。
  • ラストは少しせつない。命がけの闘いの末、「命あってのものだね」という真理に達したニキ・ラウダの、ジェームスに対する片思いで幕は閉じる。実在のニキは今でも健在で、ジェームスは1993年に亡くなっている。天国のジェームス・ハントへ宛てたラブレターのような映画になっている。
  • レースのシーンも、客の視点ではなくレーサーの視点に近いカメラポジションで、せわしなくカットが切り替わるダイナミックな演出。
  • 圧巻なのはクライマックスの豪雨の富士スピードウェイにおける水飛沫の表現で、まるで3D映画を見ているような臨場感。そこを見ただけで元はとれたようなもんだと思った。
  • 音響が素晴らしい。緊張感を煽る音楽も素晴らしいけど、何より身体を揺さぶられたのはエンジンの排気音だ。劇場内の空気の震えがえげつない。まるで操縦席にいるかのようにシートも震える。これは確実に劇場で、できればちゃんとした音響設備のスクリーンで見るべき映画だと思った。
  • ジェームス・ハント役のクリス・ヘムズワースの筋肉! 自慢の上半身を惜しげも無く披露する。酒好き女好きキャラとはいえマイティー・ソーよりもナイーブで人間味のある役で、スケコマシだが友情には熱いというBL的にはベッタベタなキャラを演じていた。
  • 一番興奮したシーンは、ニキがヒッチハイクした車を運転させられ、後に妻となる女性に煽られてスピードを出すところ。
  • しかしF1なんて今は全然人気があるイメージがない。元々F1には興味がないけど、90年代はやたら流行ってた記憶がある。アイルトン・セナが亡くなって以降、急激に話題にのぼることがなくなっていった気がする。この映画も、日本では興行的に苦戦してると思う。


映画『ラッシュ/プライドと友情』予告編 - YouTube