『キル・ビル』を見た

・新橋文化劇場にて映画『キル・ビル』を鑑賞。

f:id:SasakiTakashi:19800101000030j:plain

クエンティン・タランティーノの映画の中ではこの『キル・ビル』、パート1の方の『キル・ビル』が一番好きで、理由は以下となっております。

  1. 2時間と比較的短い(タラ特有の冗長な無駄話もない)
  2. タランティーノ映画の中で一番アホみたいな内容だから
  3. アニメパート最高
  4. ゴーゴー夕張というエポックメイキングなキャラクター

タランティーノ次回作も西部劇らしいけど、『Kill Bill vol.3』って一体いつになるんですかね。

 

・今週のハロ!ステ


Berryz新曲MV、スマイレージ/℃-ute/モー娘。'14発売記念イベント、中 ...

めいめいが可愛すぎる。

やっぱスマイレージだなーーー

James Vincent McMorrowの「Glacier」という曲が超良い曲なのだ

・James Vincent McMorrowの「Glacier」という曲が超良い曲なのだ。


Glacier ( James Vincent Mcmorrow) - YouTube

聴いております、アイルランドのシンガーソングライター、James Vincent McMorrowの2ndアルバム『Post Tropical』。

デビュー当時はフォーク寄りの音楽をやっていてボン・イヴェールっぽかった彼なのですが、今回は主にシンセやエレクトロなビートで作られていてジェイムス・ブレイクっぽい。ボーカルも、ファルセットの感じがちょっと似てるしね。

その2ndアルバム『Post Tropical』の中でも秀逸な曲だと思ったのが9曲目の「Glacier」。歌詞を読んだ感じでは冬の厳しさを描いた結構暗い曲みたいなんだけど、雲間から差し込む一筋の日の光や雪解けの暖かさなども感じさせる優しさがある曲だと思う。

『Post Tropical』、良いアルバムだ。買って良かった。

Post Tropical

Post Tropical

 

 

ラピュタ阿佐ヶ谷にて映画『羅生門』を鑑賞。

f:id:SasakiTakashi:19800101000007j:plain

ラピュタ阿佐ヶ谷に初めて行きました。想像してた通りのアーティな施設ななー。他の劇場よりも観客の文化水準が高い気がする! (テキトーな印象)

昭和の名女優・京マチ子が出演している映画の特集上映をやっていて、出演作である黒澤明の『羅生門』がやっていたので見に行きました。京マチ子さん、よく存じておりませんが、丸顔できれいな女性ですね。

さて、クロサワの映画を劇場で見るのも初めてでして『羅生門』、初体験としては良い作品かもしれません、この映画でクロサワは世界的に「見つかった」そうです。その難解な内容で当時の日本ではあまりウケず、ヴェネツィア国際映画祭でグランプリをとって初めて国内でも評価されたらしいのですが、今見るとそこまで難解でもありません。親切なストーリー構成、演出ですし、テーマ的なことは登場人物たちがセリフで全部言っちゃってますしね。

人間は自分の都合の良いように真実を捻じ曲げて事実を捏造し、捏造された事実の中には必ず愚かな偽善、見栄、虚栄心が隠れている。という、結構暗い内容の映画です。ラストはちょっとだけ希望のある終わり方をするのですが、とってつけた感は否めません。でもあれがなきゃ胸糞悪さだけが残ってしまうので、しかたがないですよね。最後の最後で希望を見せるあたりが、クロサワがあくまでエンターテイメント作家である所以なのです。(テキトーな評論)

技術的にはとてもモダンな演出な数多くあり今見ても見応えがあります。羅生門の下で語られる第3者による事件の回顧→(法廷劇さながらの当事者を含めた証人たちの証言→(森で起きた事件の様子))という入れ子構造を全く混乱させることなくしっかりと見せていて、ミステリー映画としても上出来、これを60年前にやっていたのですから、そりゃ海外の人はびっくりしたでしょうね、上手すぎるもの。

森における蒸暑さや自然光の木漏れ日、羅生門を暴力的に打ち付ける豪雨などの見せ方も素晴らしく、モノクロとは思えないほどの臨場感。

音声に関してはちょっと残念で、羅生門のシーンでは雨の音がうるさいせいなのかセリフが聴こえづらくて苦労しました。字幕があったら問題ないんでしょうけどね、特に序盤のシーン、何言ってるかわからなくてつらいものがありましたね。

 

・その後、阿佐ヶ谷にある「キッチン男の晩ごはん」という店で昼食。

f:id:SasakiTakashi:19800101000016j:plain

見よ、これが男の晩ごはんのチーズソースカツ丼(590円)だ!

食べたかったのよこれ。元々、高円寺駅の近くにあった小さな洋食屋で、数年前に阿佐ヶ谷に移転しちゃったの。ラピュタ阿佐ヶ谷の近所にあるということで、行ってみました。高円寺の時の3倍くらい店内が広くなってた。

このチーズソースカツ丼、チーズのかかったデカいカツが3枚のってましてですね、1枚でも丼を覆うくらいのデカさなのに、3枚が下の白飯を隠すように重なってのってます。正直、カツがデカすぎてご飯が少ないです。普通に食ってたらカツが余りますのでご飯大盛りにした方がいいです。でも大盛りじゃなくてお腹いっぱいになるボリュームなので注意が必要です。これで590円。安いです。まさに男食い料理。

ちなみに、「男の晩ごはん」という店名ですけど昼営業もやっております。昼営業もやっておりますし、厨房には女性の店員さんもいました。安心してください。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見た

・池袋新文芸坐にて、チャールズ・チャップリンの映画『犬の生活』、『キッド』、『街の灯』を鑑賞。

f:id:SasakiTakashi:20140205054625j:plain

今週金曜日までチャップリン特集をやっているらしいので行ってきた。チャップリンなんて劇場で見るのは初めてで、この日に上映していた3作とも初見。社会風刺などが控え目の感動系の3本だ。

 

f:id:SasakiTakashi:20140206060300j:plain

『犬の生活』は1918年作、ずいぶんと初期の作品、いやー約100年前ですよ。みんな大好き、ワンコが出てくるハートフルコメディ。今も昔も動物映画が人気なのは変わりねえのな。これが本当によく出来てる映画で、後の傑作に勝るとも劣らないクオリティ。むしろ1シーン1シーンのスラップスティックのセンスは最高水準なんじゃないだろうか、とにかくあれこれ楽しませようと練りに練られたアイディアが秀逸。冒頭の、地面にゴロゴロと転がって警官をかわすシーンからもうグイグイ貪欲に笑いをとっていく。チャップリンの相棒となる犬も芸達者で、人間が中に入ってんじゃねえかって思うくらい息が合った良い芝居をする。そして、じんわりと感動させてくれるハッピーエンドに、いやマジ、100年後の日本人まで感動させられるもん作れるって本当にすげえなって思います。100年ですよ100年。

 

f:id:SasakiTakashi:20140206060317j:plain

『キッド』はご存知、初期の代表作。反則的に面白かった。チャップリンが捨て子を拾って親子生活をしていくという、今だったからベタすぎて企画にもなんないストーリーなんだけど、まあこれ何が反則って子役の子が本当に可愛い。さすがロリコンと名高いチャップリンさぁぁーん、捨て子の子だけでなく、近所の子供たちもボーイをやってる黒人の少年もみんな愛らしい! 

「夢の国」パートで悪魔に騙された少女に誘惑されるっていう結構あからさまにインモラルなシークエンスがあるわけなんだけど、あれって何を意図したものなのだろうか。っていうか「夢の国」のパート自体がよくわからないのよね、なぜクライマックスであれをやるのか。全体的にシンプルでわかりやすい話なんだけど、ところどころ、「夢の国」とか、あと十字架を抱えたキリストのカットとか、解釈に困る部分がある。どういうことなんだろう。

 

f:id:SasakiTakashi:20140206060329j:plain

『街の灯』。傑作だ。盲目の美少女ものである。全ての盲目美少女もののベースとなっている映画なのだろう。非常によく出来たプロットで、90分と比較的長編だけど全く飽きさせない。無声映画だということを忘れるくらい雄弁に詩情があふれている。

なんといっても、かの有名なラストシーンの素晴らしさには平伏すほど胸を打たれた。最後のやりとり。恐ろしくミニマムな、人間ドラマの純粋結晶。

「あなたですか?」

「…見えるの?」

「(微笑み)ええ。見えます」

これよ。美しすぎる。そしてこの時のチャーリーの子供のような表情! 気まずそうな、嬉しそうな、恥ずかしそうな、泣いてしまいそうないろいろ感情が入り混じった表情! ここかー、この顔ってこういう流れのあれっだったのかー。最高じゃないですか、それまでの約90分間はこのラストシーンのための前振りですよ! それくらいのレベルですので皆さん、機会がございましたら劇場でご覧になってくださいチャップリンのあの顔のドアップを。

そうは言ってもラストシーン以外ももちろん秀逸でして、これ感動系の話だけどコメディ部分も最高で。特にね、ボクシングのシーンが本当に面白いのな、チャップリン映画随一のギャグシーンって言われてるみたいだけど、子供みたいに笑ってしまったわ。チャップリン、レフェリー、対戦相手がまるでワルツを踊っているかのステップを踏む動き。これは高度だ。永遠に続いてほしいとさえ思った。つべにあったから貼る。


Charlie Chaplin - Le Luci della Città - Boxer II - YouTube

ここもう一度劇場で見たい。劇場中沸いていた。前述の2作ではクスリ笑いはあっても、声を上げて笑ったりはしてなかったからみんな。

 

・TOHOシネマズ西新井にて『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を鑑賞。

f:id:SasakiTakashi:20140206054123j:plain

レオナルド・ディカプリオジョナ・ヒルのハイテンション芝居の映画だった。

本年度のアカデミー賞にノミネートされているマーティン・スコセッシ監督最新作。ディカプリオ×スコセッシ5度目のタッグ。

なんと中身のない映画だろうか! 金儲けとドラックとセックスを中毒的に消費する男とその周辺の狂騒を描いただけの180分。さすがに3時間は長いよ! もう作り手もテンション上がっちゃって結局3時間になっちゃいましたテヘッみたいな躁状態。とても70過ぎのじいさんが演出してるとは思えないエネルギッシュなシーンばかり。

主演のディカプリオとその相棒役のジョナ・ヒルのパワフルなラリパッパ演技(たぶんかなりアドリブ多め)で3時間もたせているようなもんなんだけど、たぶんスコセッシも2人の芝居に影響されてここまでアゲアゲな映画を作ってしまったんじゃないかなあ。スコセッシ・チルドレンであるところのデヴィッド・フィンチャークエンティン・タランティーノを思わせるようなモダンな演出がところどころにチラついてて、じいさんの柔軟な創造性に感服いたしました。


映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』予告編 - YouTube

 

それでは最後に、再度のコンビ出演映画の製作が決定したというジョナ・ヒルレオナルド・ディカプリオによる映画漫才を御覧ください。


Jonah Hill SNL Monologue with Leonardo DiCaprio ...